映画の舞台として「飛行機」は魅力的なシチュエーションのひとつです。
空の上という究極の密室であり、さまざまな人が一堂に会する旅客機。ハイテクの極みで、空の支配者である戦闘機。どちらの飛行機も、さまざまな人間ドラマ・サスペンス・戦いの主軸となり得ます。
というわけで今回は、「飛行機がテーマの映画」のおすすめ作品をまとめました。
- リーアム・ニーソン主演の飛行機内サスペンス:フライト・ゲーム
- トム・クルーズ主演の傑作戦闘機アクション映画:トップガン
- 脱獄囚たちが護送機をハイジャック:コン・エアー
- 9.11テロの真実を描くノンフィクション映画:ユナイテッド93
- スティーヴン・セガール出演の飛行機サスペンス:エグゼクティブ・ディシジョン
- 砂漠の真ん中で飛行機が墜落:フライト・オブ・フェニックス
- パニック映画の草分け的名作:大空港
- 名作パニック映画の続編:エアポート75
- ロシア発の飛行機パニック超大作:フライト・クルー
- 清水崇が描く飛行機ホラー:7500
- 命をかけたフライトで太陽から逃げる:イントゥ・ザ・ナイト(Netflix)
- 第一次世界大戦の航空戦を描く:フライボーイズ
- ぶっ飛びSF飛行機アクション:ステルス
- ニコラス・ケイジ主演の異色B級パニック:レフト・ビハインド
- 超傑作アクションシリーズ第2弾:ダイ・ハード2
- 大統領専用機でハイジャック:エアフォース・ワン
- 飛行機の中にヘビがいっぱい:スネーク・フライト
- 飛行機の隣の席が暗殺者:パニック・フライト
- デンゼル・ワシントン主演の傑作:フライト
- 実話をもとにした名作ヒューマンドラマ:ハドソン川の奇跡
- 飛行機がテーマの映画まとめ
リーアム・ニーソン主演の飛行機内サスペンス:フライト・ゲーム
リーアム・ニーソン主演、航空保安官が飛行機内で巻き起こる奇妙な事件に立ち向かうアクションサスペンス映画。
謎の犯行予告に始まり、その予告通り一人ひとり死んでいくという異常事態、さらにその疑いが主人公にかけられるという理不尽……目まぐるしく変わる状況や容疑者、ヒリヒリする緊張感が見どころで、どの登場人物も怪しく見えます。
後半には意外なかたちで事態の流れが変わる展開もあり、王道だからこそ手堅く楽しめる良作サスペンスです。
トム・クルーズ主演の傑作戦闘機アクション映画:トップガン
若き日のトム・クルーズの出世作のひとつ。破天荒な飛行機乗りが、戦いや恋を経験して成長していく様が描かれます。
スリリングなドッグファイトで魅せる超速アクション映画としての見どころはもちろん、主人公の成長を描く青春映画的な魅力も。一匹狼のパイロットが、しだいにチームの一員になっていく姿とトム・クルーズの爽やかなかっこよさがよく合います。
続編『トップガン マーヴェリック』と併せて注目です。
脱獄囚たちが護送機をハイジャック:コン・エアー
ニコラス・ケイジ主演で、凶悪犯たちによってハイジャックされた護送機を舞台に戦いを描くクライムアクション映画。
主人公は不幸な事故によって有罪になり、刑期を終えて家族のもとに帰る直前の男で、他の囚人たちが外国に逃げる気満々の中でなんとか事態を解決しようと孤軍奮闘します。
凶悪犯たちは分かりやすい荒くれ者から不気味なサイコキラーまでバリエーション豊かで、特に名優ジョン・マルコヴィッチ演じる知能犯のボスが強敵です。
さらに、ジョン・キューザック演じる護送機を追うFBI捜査官との協力もあったりと、ワンシチュエーションに囚われない展開も緩急があってナイスです。
9.11テロの真実を描くノンフィクション映画:ユナイテッド93
アメリカ同時多発テロ(9.11)の際に、乗客たちのテロリストへの反撃によって、唯一目標に到達せず途中の平原に墜落したユナイテッド93便を描くノンフィクションサスペンス映画。
管制記録や乗客たちの家族への連絡記録をもとに、できる限りリアルに再現されたストーリーが見どころで、リアリティを出すために無名の役者をキャストに起用。一部の場面では本物の管制音声が使用されたり、管制官役で当時現場にいた本人が出演していたりと、極限まで臨場感が追求されています。
だからこそ、ハイジャックが進展して状況が絶望的になっていくストーリーは思わず手に力が入ります。凄まじくリアルだからこそ、結末は息が詰まります。
スティーヴン・セガール出演の飛行機サスペンス:エグゼクティブ・ディシジョン
名優カート・ラッセル主演の飛行機アクションサスペンス映画。
テロリスト集団にハイジャックされた旅客機に、特殊な戦闘気を使って「乗り込んだ」特殊部隊の戦いが描かれます。
いかに敵にバレず、限られた時間と装備で事態を解決するか。ひとつひとつの展開が息の詰まる緊張感を感じさせます。主人公だけでなく、隊員一人ひとりが活躍する群像劇的な作風なのも見どころです。
スティーヴン・セガールが意外な役どころで登場したところで、当時は大きな話題になりました。
砂漠の真ん中で飛行機が墜落:フライト・オブ・フェニックス
砂漠を舞台にしたサバイバルパニック映画。デニス・クエイド主演で、他にもミランダ・オットーやヒュー・ローリーなど個性派俳優が並んでいます。
石油採掘施設の作業員を乗せた輸送機が砂漠のど真ん中に墜落し、救助も見込めない中でどうやって生還するか……が描かれます。
照りつける太陽と減っていく水や食料、脱出用の飛行機作りの難航、さらに盗賊の出現など、立て続けに起こるトラブルが地味ながらも緊張をかき立てて、飽きさせません。
パニック映画の草分け的名作:大空港
バート・ランカスター主演、1970年の名作。猛吹雪に見舞われる空港と爆弾魔の乗った旅客機を舞台に、さまざまなトラブルやパニックが群像劇的に描かれます。
「パニック映画」というジャンルそのものの元祖になったと言われる作品で、ひとつの大規模な危機の中でさまざまな人物の物語がくり広げられる……という王道の展開は本作が以降のパニック映画のひな型になりました。
50年以上前の作品ですが、今観ても楽しめる普遍的な面白さがあります。
名作パニック映画の続編:エアポート75
「大空港」の大ヒットを受けて作られた続編。ストーリーや登場人物は一新され、こちらも名俳優のチャールトン・ヘストンが主演を務めました。
小型機との接触事故によって操縦士が死傷した旅客機を舞台に、生き残ろうと奮闘する乗客たちと、彼らを救おうとする人々の奔走が描かれます。
群像劇らしい作風はそのままに、よりパニックアクション的な色が強くなっているのも見どころ。さらに派手なスペクタクル描写に注目です。
ロシア発の飛行機パニック超大作:フライト・クルー
ロシア発の航空パニック映画。
民間に転職した元空軍パイロットの主人公が、火山噴火によって沈みつつある島の空港からの人命救助、さらには損傷した状態で離陸した旅客機を操縦してなんとか生還しようとするパニックが描かれます。
噴火や地震によるパニック描写は凄まじい迫力で、無理に離陸しようとした機体が爆破炎上するようなショッキングなシーンも。
バリエーション豊かなパニック描写は、ハリウッド大作にも負けないクオリティです。
清水崇が描く飛行機ホラー:7500
「呪怨」シリーズで知られる清水崇のハリウッド監督作。
乗客の怪死を皮切りに、逃げ場のない飛行機内で不可解な出来事が巻き起こっていく様が描かれます。飛行機パニックでは珍しい、オカルトホラーテイストの作品です。
評価はあまり高くありませんでしたが、最低限お金のかかった変わり種のホラーとしてはそれなりに楽しめます。空の上で怪奇現象……という、おそらく他では観られないシチュエーションに注目しましょう。
命をかけたフライトで太陽から逃げる:イントゥ・ザ・ナイト(Netflix)
太陽の異常現象によって「陽の光を浴びると死ぬ」となった世界で、太陽の反対側(夜の地域)に留まり続けるために飛ぶ旅客機の乗客乗員たちを描いたサバイバルパニック作品。
Netflixオリジナル作品で、しかもドラマですが、飛行機パニックの傑作なので紹介します。
死にたくなければ常に太陽の裏側にいないといけない。ちょうどいい空港で給油できなければ死。飛行機が故障しても死。パイロットが倒れても死。おまけに乗客はトラブルメーカーだらけ……という超ハードモードです。
全6話と短めで、目まぐるしい展開で飽きさせず、ドラマ面も楽しめます。この作品を知らないのはもったいない。
第一次世界大戦の航空戦を描く:フライボーイズ
第一次世界大戦時のフランス空軍を舞台に、外人部隊のパイロットとして戦いに臨んだ青年たちを描く戦争アクション映画。
まだ飛行機そのものが最新発明だった時代を描く珍しい空戦映画で、ときには操縦席越しに拳銃で撃ちあったりと、飛行機の軍事利用そのものに手探りだった黎明期を感じられる珍しい作品です。主人公の成長やラブロマンスを描くヒューマンドラマの側面も強め。
「巨大飛行船VS戦闘機」のようなレアなシチュエーションの戦いも見られて、CGのクオリティも高めで見応えありです。
主演ジェームズ・フランコ、その他にもジャン・レノが出演していたりと、意外と豪華キャストなのも見どころ。
ぶっ飛びSF飛行機アクション:ステルス
最新ステルス戦闘機のパイロットたちと、彼らの「チームメイト」になった最先端AI無人戦闘機を描くSF航空アクション映画。
本格空戦アクションとして楽しめる一方で、ぶっ飛びSFエンタメ作品的な一面もあります。リアリティよりも映像的な派手さや痛快さを重視したいときにおすすめの作品です。
後半に行くにつれてストーリーのツッコミどころが爆増していくので、細かい点を無視して楽しめる人向けでしょう。
あと、なぜかやたらと地上波で放送されるイメージがある作品です。
ニコラス・ケイジ主演の異色B級パニック:レフト・ビハインド
聖書の「終末の日」が現実になり、敬虔なキリスト教信者と純粋な子どもたちは神のもとにいき(体が消失し)、残された人々が滅びゆく世界の中でサバイバルする……という作品。
主演のニコラス・ケイジは旅客機のパイロットを演じ、異常事態の中で地上の娘や命を預かる乗客たちのために奮闘します。
ハリウッドスターの主演作ですがCGはショボめで、カメラワークは単調で、音楽もちょっとチープで、思いっきりB級映画です。が、こういうB級パニックスリラーだと思うとそれなりに楽しめます。ニコラス・ケイジの演技はまともだし。
お菓子とジュースを手に気楽に観られるポップコーンムービーとしてはちょうどいいので、頭空っぽでB級映画を楽しみたい人におすすめです。
超傑作アクションシリーズ第2弾:ダイ・ハード2
伝説的アクション映画シリーズ第2作目。ブルース・ウィリス演じるぶっ飛び刑事が、今度は空港を舞台に旅客機テロに立ち向かいます。
ド派手ではちゃめちゃなアクションは相変わらず、主人公の破天荒ぶりはさらに過激にパワーアップして、序盤ではハラハラして、後半では爆笑して観ることができます。これぞハリウッドアクション!なテンションの傑作です。
大統領専用機でハイジャック:エアフォース・ワン
エアフォース・ワンがテレビクルーに扮したテロリストにハイジャックされる中で、ハリソン・フォード演じる大統領がダイ・ハードばりの大立ち回りで戦うというアクション映画。
テイストはいたって真面目な作品ですが、内容的にはぶっ飛びアクションの類ですね。
ただ、ハリソン・フォードは相変わらずのかっこよさで、テロリストのボス役を演じるゲイリー・オールドマンもさすがの存在感。他キャストも粒ぞろいで、90年代の作品ながら映像面もハイクオリティです。
ハリウッド黄金期のアクション大作として及第点以上に楽しめます。
飛行機の中にヘビがいっぱい:スネーク・フライト
旅客機のファーストクラスを貸し切ってマフィアの犯罪を暴くための証人が護送される中で、その証人を消すためにマフィアが機内に大量の毒ヘビを放ち、阿鼻叫喚の地獄になる……という、シリアスのふりしたおふざけパニック映画。
内容はぶっ飛んでいますがしっかりとお金のかかった作品で、主演もサミュエル・L・ジャクソンが務めるなど、この手の映画の中では大作と言えるでしょう。
飛行機という絶対に逃げられない密室の中でどうやってヘビに立ち向かい、生還するかのサバイバルはかなりハラハラさせられます。ショッキングなシーンも多く、パニック描写はガチです。
終盤では盛り上がりどころを作るために、もはや毒ヘビとか関係ない巨大ヘビが出てきて人を丸呑みにするのも見どころ。
飛行機の隣の席が暗殺者:パニック・フライト
ホテル従業員の女性が飛行機に乗っていると、隣に暗殺者グループの構成員の男が着席。主人公の働くホテルに泊まる政府高官を暗殺するため、彼女を脅迫して無理やり協力させようとしてきて……というサスペンス映画。
大きな陰謀に巻き込まれて、飛行機の上だから逃げ場もないし助けも求めづらい、という制約を作るのは斬新ですね。立て続けにトラブルが起こるクライムサスペンス描写は手に汗握る緊張感があって、後半ではけっこう派手なアクションもあったりと映像的な見どころも豊富です。
また、暗殺者の男を演じているのがクリストファー・ノーラン監督作の常連キリアン・マーフィーなのも見どころ。不思議な雰囲気を放つ俳優ですが、今回はそれが不気味な方向でうまく活かされています。
名作と呼ばれるタイプの映画ではありませんが、いかにもハリウッドらしいアクションサスペンス映画として堅実な良作が見たい方におすすめです。
デンゼル・ワシントン主演の傑作:フライト
デンゼル・ワシントン主演で、ある旅客機パイロットの葛藤や戦いを描くヒューマンドラマ映画。監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのロバート・ゼメキスです。
主人公は「絶望的な飛行機事故から大勢の乗客を救った英雄」である一方で、「アルコール依存症のため勤務時に酒気帯び状態だった」ことで過失致死罪に問われることになります。
ひとつの飛行機事故やパイロットの活躍を巡る物語としてだけでなく、ひとりの男の苦悩を描く作品としても傑作です。アカデミー賞では脚本賞と主演男優賞にノミネートされました。
実話をもとにした名作ヒューマンドラマ:ハドソン川の奇跡
実際に起こった飛行機事故をもとに、とっさの判断でハドソン川に着水して乗客乗員の全員を救った機長を描くサスペンスヒューマンドラマ。
奇跡的な着水やその後の救助のシーンは観ていてヒリヒリとした緊張感が伝わる生々しさで、しかもそれで「皆助かってよかったね」では終わらないところがノンフィクションです。
事故調査では「危険な着水なんかしなくても空港まで持ったんじゃないの?」「判断ミスで危ない橋を渡ったんじゃないの?」と詰問されまくる主人公。この教訓を飛行機業界で活かすためには仕方のないことかもしれませんが、見ていて辛いです。
日本でも話題になったニュースの、知られざる裏側を描く作品として感動できます。
飛行機がテーマの映画まとめ
以上、アクションやサスペンス、パニック、ホラー、ヒューマンドラマまで、飛行機をテーマにしたおすすめの飛行機映画をまとめました。
今後もさまざまな名作・怪作・珍作が登場するであろう飛行機映画の世界。注目していきましょう。
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