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『86 エイティシックス』11巻はシンの死亡を予告している?【ネタバレあり】

86―エイティシックス―Ep.11 ―ディエス・パシオニス― (電撃文庫)

2022年2月、ついに発売された『86 エイティシックス』11巻。

アニメ第2クールも放送されたこともあって、今まで以上に大きな注目を集めているように思えますね。

そんな『86 エイティシックス』11巻ですが、僕は最初の一文に大きな衝撃を受けました。

その一文は……「シンエイ・ノウゼン中佐に捧ぐ」。レーナの回顧録の中の一文という設定で描かれているこの言葉で、鳥肌が立って手の震えが止まらなくなりました。

何故なら、この一文はシンの戦死を予告しているように思えたからです。その理由を解説します。

「シンエイ・ノウゼン中佐」の意味とは

シンの現段階の階級は大尉(中佐の二階級下)

まず確認しておきたいのが、この物語の主人公であるシン(シンエイ・ノウゼン)のギアーデ連邦での階級です。

シンの階級は「大尉」。尉官の中では最上位で、陸軍で戦場に立ってドンパチ戦う人の中ではまあかなり上位の立場と言えます。

しかし、11巻冒頭に書かれているのは「シンエイ・ノウゼン中佐」。現在のシンの階級である大尉の、さらに二階級上です。

レーナの回顧録の中でシンの階級が「中佐」というのは、単純に考えれば、シンが今後さらに戦功を挙げて階級を上げるのだと見ることもできます。

しかし、あえて「二階級」上にシンを定め、さらに「に捧ぐ」とまるで故人に向けるような書き方がされているのが注目点です。

 

軍隊には「戦死すると二階級特進」という制度や慣行がある

というのも、軍隊や警察などには「二階級特進」という制度や慣行があります。

これは殉職した者の階級を死後に二つ上げるもので、死者の名誉を高めるのはもちろん、遺族の受け取る年金が二階級上の階級を基準に定められるなど、職務に殉じて亡くなった人の家族を支える一面もあります。

ミリタリー色の強い『86 エイティシックス』において、シンを二階級上に書いて彼にレーナの回顧録を「捧ぐ」……もう、悪い予感しかしません。本を開いて早々に泣きそうになりました。

 

シンはレギオンとの戦いで戦死してしまうのか?

凄まじい死亡フラグの「シンエイ・ノウゼン中佐」という一文ですが、果たしてシンはレギオンとの戦いで戦死してしまうのか。彼には戦後にレーナと穏やかに暮らす未来は訪れないのか。

それは……作者の安里アサト先生のみぞ知る、ですね。現段階では作者様以外に確かなことは誰も分かりません。

ただ、もしシンが死んでしまうのなら、それはきっとレギオンとの決戦で、重要な場面で、重要な役割を果たしての死になるのでしょう。それこそ英雄的な。

そして、シンにとっても救いのある、そして未練のない最期になるのでしょう。

 

一方で、シンが生存する可能性だって十分にあります。

シンは決戦で大きな戦功を挙げて世界を救い、特例として一気に二階級の昇進を果たすのかもしれません。

戦後も長く軍に勤め、順調に昇進して中佐で退役するのかもしれません。

レーナが「捧ぐ」と綴っているのは、彼女が回顧録を書いたのが、シンと人生を重ねて彼を看取った後、年老いてからだったのかもしれません。

どちらの可能性もありますが……前者の場合に備えて、覚悟はしておいた方がいいかもしれませんね。

 

まとめ

エイティシックスたちの「憎しみ」との決別、レーナの共和国との決別。共和国の最期。そんな衝撃的なストーリーはもちろん、最初の一文から爆弾をぶち込まれて衝撃的だった『86 エイティシックス』11巻。

いや、これ、もう……次も絶対に読みますよ。最後まで絶対に追います。今から12巻が楽しみでなりません。

 

www.taida-wanted.com

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